むせ返るような暑さが続く夏の日、熱中症になる人がたくさんいます。毎年その人数は増えている傾向にあります。
熱中症対策のために、こまめに水分補給をしたり、日中の暑い時間帯のむやみな外出を避けたりなど、色々と注意喚起がされていますが、【熱中症=日中(お昼)】【熱中症=屋外】と思っていらっしゃるなら、それは大きな間違いです!
熱中症で亡くなられた方々の中で、日中になった方と、夜間になった方の割合はほぼ同じで、しかも、室内で熱中症で亡くなられた方の9割は「エアコン(冷房)を使用していなかった」というデータがあります。
日中に家にいる時、またはオフィスなどでもエアコンはONになっていると思いますが、夜間、いわゆる寝ている時間帯は、エアコンはどうしていますか?
「夜通しエアコンをつけっぱなしにしていると、寝冷えをしてしまう」
「エアコンが無いと眠れない体になるのは良くないだろう」
「エアコンじゃなくて、扇風機をONにして寝る派だから」
このような考えから、夏に夜通しエアコンをつけておくのを避ける方々が多いようですが、熱中症対策として夜通しエアコンをつけておくのは果たして、良いのか?悪いのか?
扇風機を代用することはエアコンよりも、良いのか?悪いのか?
寝苦しい熱帯夜が続く夏、知っておくとお得な情報をお届けします。
もくじ
熱中症対策に夜通しエアコン(冷房)は大丈夫?
メインの疑問の答えから、まず発表させていただきます!
熱中症対策のために夜通しにエアコン(冷房)をつけておくべきです!
むしろ、エアコンをつけないことの方が良くないのです。
「エアコンは消しちゃいけない。24時間つけていたほうが良い」と、東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生が、そう仰っていました。
ただ…、色々と疑問は湧いてきますよね。
一つ一つ見ていきましょう。
そもそも熱帯夜とは何度以上?
熱帯夜と呼ばれる夜は、どんな夜のことなのか?
熱帯夜とは最低気温が、25度以上の夜の事を指します。
夜通しエアコンをつけると体がだるい
「寝ている時に汗ばむのが嫌」
「熱くて寝付けない」
という理由などから、夜通しエアコンをつけている人はいらっしゃると思いますが、悩みを抱えています。
それは「夜通しエアコンをつけると翌朝、体がだるい…」ということです。この理由は、全身が冷えすぎて血行が悪くなってしまっているからです。
明け方は新陳代謝が下がり、深部体温(体の中の深部の体温)や皮膚温度も下がります。ですから、対策としては掛け布団をかけて体温調節をすると良いです。
ただし、少なくとも首から上は出しておくようにする方が、熱中症対策にもなりますし、夏バテ予防にもつながります。
「エアコンの温度を上げれば良いのでは?」と思うかもしれませんが、それだと暑くて寝れない…という状況に逆戻りしてしまいます。
冷房は28度が良いと聞いたけど…?
「冷房が28度が良い」というのは、あくまでエコ(電気代)を重視した温度設定で、実は、環境省が発表した情報によると「熱中症の警戒温度が28度以上」と言われています。
ということは、熱中症対策を考えると「夜通し冷房28度」というのは危険ということになります。
快適な睡眠ができるエアコンの温度設定は個人差がありますから、
エアコンのおやすみタイマーは絶対にNG?
「寝入りばなに涼しかったら、あとは大丈夫」ということで、エアコンのおやすみタイマーを設定して寝るという方も多いようですが、前述の梶本先生いわく、絶対にダメということです。
理由は、タイマーが切れたあとに、無意識のうちに熱中症になる恐れがあるのです。
日中に太陽光の熱が家などの建物の壁に蓄積され、夜になると熱が放出されるので、室温が高い状態が保たれるので、エアコン(冷房)を夜通しつけておくことが熱中症対策になります。
寝ているときは暑さに鈍感になるので、特に高齢の親御さんが離れて暮らしていらっしゃるなら教えてあげる必要があります。
エアコンをつけっぱなしにすると喉が痛い
喉の乾燥が原因なので、マスクを着用して寝るようにすれば大丈夫です。
また、寝る前にコップ1杯の水を飲むと良いです。
熱中症対策に夜通し扇風機はどうなの?
「エアコンを使うと体に悪そうだから扇風機の風を体に当てて寝ている」という方は多いと思います。
実際のところ、エアコンよりも扇風機の方が体には良いような気はしますが、扇風機を直接体に当てることは良くありません!
扇風機を使うとすれば、室内の空気の循環をさせるために使うようにしてください。
「扇風機の首をスイングさせているけど、それでもダメ?」
スイングをさせていても、首を止めていたとしても、風が当たる箇所はある程度固定です。
そうすると、風が当たっている部分だけが冷えてしまい、自律神経の混乱をきたすことになります。
自律神経の働きの一つに体温調節があります。
仮に、体の左半分に扇風機の風が当たっているとしたら、左側だけが冷えることになりますが、自律神経は「左側だけを温かくする」という機能は備わっていないので、「体温を上げるの?」「体温を下げるの?」と混乱してしまうのです。
なので、扇風機を使用するなら、風量は「弱」にして、天井向きで首振りをさせるといいですね。
これは、熱中症対策のために夜通しエアコンをつけていることが絶対条件ですので、ご注意ください。
まとめ
熱中症対策のため、暑い夏の夜をうまく睡眠をとるためのエアコンの使い方、扇風機の使い方を紹介しました。
目からウロコの情報が多いですよね。
私たちが勝手に思い込んでいる情報と、実際の情報は違いがあるということを改めて思い知りました。
熱中症対策のために、夜通しエアコンをつけて、掛け布団をかけ、扇風機で空気を循環させるようにしましょう!